2018年2月5日月曜日

強皮症

強皮症

強皮症は限局型と限局性(局所性)という名前があって、まず混乱します

ここは英語で覚えたほうがよさそうです


部分的な皮膚変化のあることを、localized(局所性)強皮症といわれます


この概念は実はSLEでも問題になります

皮膚エリテマトーデス(Cutaneous lupus erythematosus:CLE)は、

皮膚限局性のエリテマトーデスです

しかし、SLEの方はもっとややこしくて、

SLEの皮膚症状のことも、CLEと言ってしまっているので、

さらに意味が分かりません

SLEのことは置いておいて、今回は強皮症についてです

localizedな強皮症に特異的な臓器障害は認められませんが、

稀に皮膚意外にも症状がでることがあります

全身性強皮症との鑑別点は、

レイノー症状がない

爪床の変化がない

ことがあげられます

特異的な抗体も陰性のことが多いです

ただし、抗核抗体は陽性となることもあります


localizedな強皮症が全身性に伸展することはほとんどありませんが、

全身性強皮症がlocalizedな強皮症として出現することはあります

やっぱりややこしいですね



全身性強皮症の病態は3つにわけて考えます

①炎症・免疫:自己抗体、puffy finger
②血管障害:レイノー、肺高血圧
③線維化:間質性肺炎、皮膚硬化

といった組み合わせで、分類基準も作られています

強皮症は見逃されていることも多く、

みる人がみれば、手や顔をみた瞬間に分かる病気です

ですが、進んでしまった強皮症はなかなか治療が困難です

なので、見ただけでわからない強皮症の時に、診断していきたいものです

一番、疑う主訴はレイノーでしょう

レイノーできた人をみたら、必ず爪をチェックします

ダーモスコピーがなくても、あきらめずに爪の生え際を頑張ってみてください

肉眼でも見える人はいます

レイノーがあって、NFCC(爪郭毛細血管異常)があれば、

2-3年以内に20-30%が、全身性強皮症に伸展するといわれています

自己抗体まで加われば、70-80%に可能性はupするので、

抗体を出す前にチェックしておきましょう

皮膚硬化の範囲でDiffuseとLimitedにわけられます

それぞれの病態に少しずつの違いがあります

間質性肺炎はどちらも起こしますが、

肺高血圧はlimitedで多いです





強皮症に限らず、膠原病は生活習慣と密接なかかわりがあります

リウマチであれば、関節を守るために、

片手で重いものをもってはいけないとか

SLEであれば、

日光を極力さけるか、日焼け止め対策をしっかりするとか

強皮症であれば、レイノーを防ぐために、

寒さ対策をしっかりします

手だけではなく、「寒い」と感じたら、起きてしまうので、

全身を温める工夫が必要です

不安や喫煙もレイノーを悪化させるので、

禁煙は必須です


治療は臓器ごとにことなるため、

臓器障害の程度をフォローすることが、強皮症外来のメインになります



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