強皮症
強皮症は限局型と限局性(局所性)という名前があって、まず混乱します
ここは英語で覚えたほうがよさそうです
部分的な皮膚変化のあることを、localized(局所性)強皮症といわれます
この概念は実はSLEでも問題になります
皮膚エリテマトーデス(Cutaneous lupus erythematosus:CLE)は、
皮膚限局性のエリテマトーデスです
しかし、SLEの方はもっとややこしくて、
SLEの皮膚症状のことも、CLEと言ってしまっているので、
さらに意味が分かりません
SLEのことは置いておいて、今回は強皮症についてです
localizedな強皮症に特異的な臓器障害は認められませんが、
稀に皮膚意外にも症状がでることがあります
全身性強皮症との鑑別点は、
レイノー症状がない
爪床の変化がない
ことがあげられます
特異的な抗体も陰性のことが多いです
ただし、抗核抗体は陽性となることもあります
localizedな強皮症が全身性に伸展することはほとんどありませんが、
全身性強皮症がlocalizedな強皮症として出現することはあります
やっぱりややこしいですね
全身性強皮症の病態は3つにわけて考えます
①炎症・免疫:自己抗体、puffy finger
②血管障害:レイノー、肺高血圧
③線維化:間質性肺炎、皮膚硬化
といった組み合わせで、分類基準も作られています
強皮症は見逃されていることも多く、
みる人がみれば、手や顔をみた瞬間に分かる病気です
ですが、進んでしまった強皮症はなかなか治療が困難です
なので、見ただけでわからない強皮症の時に、診断していきたいものです
一番、疑う主訴はレイノーでしょう
レイノーできた人をみたら、必ず爪をチェックします
ダーモスコピーがなくても、あきらめずに爪の生え際を頑張ってみてください
肉眼でも見える人はいます
レイノーがあって、NFCC(爪郭毛細血管異常)があれば、
2-3年以内に20-30%が、全身性強皮症に伸展するといわれています
自己抗体まで加われば、70-80%に可能性はupするので、
抗体を出す前にチェックしておきましょう
皮膚硬化の範囲でDiffuseとLimitedにわけられます
それぞれの病態に少しずつの違いがあります
間質性肺炎はどちらも起こしますが、
肺高血圧はlimitedで多いです
強皮症に限らず、膠原病は生活習慣と密接なかかわりがあります
リウマチであれば、関節を守るために、
片手で重いものをもってはいけないとか
SLEであれば、
日光を極力さけるか、日焼け止め対策をしっかりするとか
強皮症であれば、レイノーを防ぐために、
寒さ対策をしっかりします
手だけではなく、「寒い」と感じたら、起きてしまうので、
全身を温める工夫が必要です
不安や喫煙もレイノーを悪化させるので、
禁煙は必須です
治療は臓器ごとにことなるため、
臓器障害の程度をフォローすることが、強皮症外来のメインになります
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